山鼻地区は札幌市中央区南14条と15条の間を通る行啓通の南側で、豊平川と藻岩山に挟まれた地域にあり、南端には山鼻川が流れています。市中心部に近い立地ながら、自然の豊富な地域です。
山鼻地区は、かつては、鬱蒼とした原生林に覆われ、アイヌ語で「ユク・ニクリ」(鹿の住む林)と呼ばれていました。「山鼻」の地名の由来は諸説ありますが、一説には、藻岩山の「端」という意味で、明治6・7年頃までは、「山端」、のちに「鼻」の字を当て、「山鼻」と呼ばれるようになったと言われています。
1870(明治3)年に東本願寺の山鼻管刹所が10万坪の開墾地をもらい、和歌山県から農家2戸が呼び寄せたのが、地域のはじまりです。
1874(明治7)年には、農家10戸からなる山鼻村が創設されました。さらに、1877(明治9)年に、琴似に次ぐ2番目の屯田兵村として山鼻屯田兵村が開設。屯田兵として240戸1,114人が東北地区などから移住し、東屯田と西屯田に分かれて入植しました。
その後、電車山鼻線・山鼻西線が開通し、商業地域、住宅地として発展していきました。現在、山鼻地区(旧山鼻村の一部)は、中央区内で最も人口が多く、大学や高校など教育機関も多く集まる文教地区となっています。1991(平成3)年に北海道教育大学札幌分校の跡地に建てられた中央図書館は、約90万冊と市内最大の蔵書数を誇り、併設の埋蔵文化財センターとともに、多くの市民に利用されています。
山鼻地区の概要
基本データ
人口:37,168人(内訳:男16,878 女20,290)
世帯数:20,971世帯
面積:3.6㎢
*令和6年1月1日現在
主な施設等
教育機関
小学校:伏見小学校、幌南小学校、山鼻南小学校、(山鼻小学校)
中学校:柏中学校、山鼻中学校、(伏見中学校)
高等学校:札幌静修高等学校、札幌南高等学校
大学:北海学園大工学部 ※以前は教育大札幌校、教育大付属小・中学校が所在
公共施設
中央図書館、山鼻児童会館、山鼻かしわ児童会館、電車事業所・電車車両センター、札幌もいわ山ロープウェイなど
主な公園や緑地など
- 山鼻公園
- やまはなサンパーク
- 伏見東緑地
- 山鼻川緑地など
山鼻地区の歴史
年 | 主な出来事 |
---|---|
明治3年(1870年) | 東本願寺 新道(現在の石山通)建設。翌年、新潟県及び本府からの移住者計50戸が入植 |
明治7年(1874年) | 山鼻村創設(戸数10戸) |
明治9年(1876年) | 東北地方の元士族240戸が山鼻屯田兵として移住し、西屯田と東屯田に分かれて入植 |
明治10年(1877年) | 山鼻学校(現・山鼻小学校)仮校舎で授業開始 翌明治11年、屯田兵の子弟教育のため山鼻学校開校式を開催 |
明治14年(1881年) | 明治天皇が北海道行幸の一環で山鼻兵村をご来訪。山鼻公園の柏の木についてご質問(御声がかりの柏) |
明治39年(1906年) | 山鼻村と円山村の合併より藻岩村が設立 |
明治43年(1910年) | 藻岩村の山鼻地区が札幌に編入 |
明治44年(1911年) | 皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)が現在の山鼻公園(当時は練兵場の一部)に行啓 |
大正7年(1918年) | 北海道博覧会が中島公園で開催 |
大正10年(1921年) | 山鼻信用組合(現北海道信用金庫)設立 |
大正11年(1922年) | 札幌第一中学校(現在の北海道立札幌南高校)が山鼻地区に移転 |
大正12年(1923年) | 路面電車山鼻線(薄野交番前~行啓通間)開通。翌年、第一中学校前まで開通 |
昭和6年(1931年) | 札幌第2高等小学校(現・柏中学校)設立 山鼻西線(単線)開通(複線化は昭和26~29年) |
昭和11年(1936年) | 幌南小学校開校 |
昭和22年(1947年) | 山鼻出張所(現山鼻まちづくりセンター)開設 |
昭和27年(1952年) | 陸上自衛隊札幌方面総監部 開庁 |
昭和33年(1958年) | 藻岩山ロープウェイ運行開始 |
昭和38年(1963年) | 山鼻スポーツ振興会設立。山鼻地区スキー教室開始 |
昭和43年(1968年) | 伏見小学校開校 |
昭和44年(1969年) | 山鼻児童会館開館 |
昭和45年(1970年) | 山鼻町内会連合会設立。山鼻地区社会福祉協議会設置 |
昭和47年(1972年) | 第1回山鼻地区住民大運動会開催 |
昭和50年(1975年) | 豊平川のサケが25年ぶりに遡上 |
昭和54年(1979年) | 山鼻第三祭典区山車復活 |
昭和59年(1984年) | 第1回山鼻地区交通安全パレード開催 |
昭和63年(1988年) | 山鼻地区親子雪遊び大会開始。第1回豊平川綱引き大会開催 |
平成3年(1991年) | 伏見中が柏中から移籍開校 中央図書館が北海道教育大札幌分校跡地に移転 |
平成5年(1993年) | 山鼻南小学校が、南小から分離開校 |
平成8年(1996年) | 山鼻かしわ児童会館開館 |
平成9年(1997年) | 山鼻地区福祉のまち推進センター設置 |
平成17年(2005年) | 山鼻未来・ネットワーク協議会設置。市電フェスティバルの運営に参加 |
平成18年(2006年) | 第1回面白わくわくスポーツ大会 |
平成23年(2011年) | 藻岩山観光施設リニューアル |
令和2年(2020年) | 山鼻会館改築 |
山鼻未来講座~ヤマハナを知る~
山鼻未来・ネットワーク協議会では、山鼻地区の特徴や魅力を知り、まちを楽しむための「山鼻未来講座」を令和3年度から開催しています。