2025.02.26

【阿部山鼻町内会連合会会長特別寄稿】「善意」に期待する行政の在り方について~疲弊する自治活動~

この表題は、国または地方自治体の主体である行政に対して、甚だ不遜な言い方であることを承知のうえで、あえて問い、何とかしてほしい、という思いを込めて書いています。

町内会の加入率も未だしの感の昨今、さらに、シニア世代の定年延長や高齢化など益々人手不足で、役員のなり手も少なく、一人何役を余儀なくさせられている実態を聞かされます。さらに、行政または準行政とも言える各種団体等からの依頼、調査要請、推薦等々・・・が多く、会長さんはじめ役員の皆様方の双肩が日々重くなっています。推薦依頼の各種委員等は一部を除き、ほとんど無報酬のボランティアです。(ex.民生委員、交通安全指導員、ある意味では町内会役員等々・・・)

これらの各種委員の殆どは、戦後間もなく制定されたもので、民生委員制度は、1948年、保護司制度は1950年制定です。基本的にはすべてボランティア活動で、善意に基づく活動です。世の中の人々のためにという、社会福祉の根幹をなす大切な仕事なので無報酬で、即ちボランティアでやって下さい、ということです。要は「人々の善意に基づく、または善意にすがって成り立っている」ことなのではないでしょうか。

制定以来現在に至るまでの経過を考えるとき、もはや善意という名のボランティア活動に頼る時代ではない、と考えざるを得ません。行政の仕組みの一環のなかで位置づけられるべきと考えます。高齢化がさらに進み、なり手が不足していくと地域のセーフティネットが機能不全に陥りかねません。

(阿部貞夫山鼻町内会連合会会長 令和7年1月山鼻町内会連合会新年交礼会にて)